さて、そこで伊邪那岐命は「愛しい我が妻を、子ひとりに替えてしまった」と言って、その枕元に這いつくばり、その足元に這いつくばって泣いたときに、その御涙に成った神は、香具山の畝尾の木の本にいる。名を泣澤女神という。そして、その神避った伊邪那美神は、出雲国と伯耆国の境にある比婆の山に葬った。
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《言葉》
- 【香山之畝尾木本】天香久山の西麓、奈良県橿原市木之本あたり
- 【泣澤女神】なきさはめの神 鳴き沢(水音のする沢)の女神の意か
- 【出雲国】いづもの国 現在の島根県
- 【伯伎国】ははきの国 現在の鳥取県
- 【比婆之山】ひばの山 未詳、出雲と伯伎の境にあるとされる山