底本について
当サイトのメインコンテンツは古事記の原漢文、訓読文、現代語訳、注釈から成ります。原漢文と訓読文については、本居宣長著・本居豊頴校訂・本居清造再校「校訂古事記伝 乾」「同 坤」(吉川弘文館、1902)を底本としましたが、明らかな誤植や間違いと考えられるものは、いくつかの訳注本を参考に適宜改めました。
注釈については、上述の乾坤二冊に加え、西郷信綱「古事記注釈 一〜四」(平凡社、1975〜89)を主軸に、適宜文献を参照しながら記述しました。現代語訳は、刊行されているいくつかの現代語訳の書籍を参考に当サイトの管理人が付けました。したがって当サイトにおける誤訳・誤植等の間違いの責任はすべて当サイトの管理人にあります。
引用について
原則として引用文には出典を明記していますが、よく出てくる文献については略称を用いています。略称についてはこちらを参照してください。
古事記と日本書紀からの引用にも略称を用いています。古事記・日本書紀の神代巻をそれぞれ神代記・神代紀、景行天皇の条を景行記・景行紀のように略しています。
なお、引用文中に、しばしば原文にはない下線や太字などで強調を入れていますが、これらは特に注記がない限りは筆者の判断によるものです。
段落分け・改行・句読点について
原漢文や訓読文の段落分け・改行は原則として底本に従いましたが、改行が少なく、現代の私たちの感覚からするとやや読みづらいため、現代語訳では適宜改行を入れました。また、原漢文にはもともと句読点はなかったようですが、これも便宜のために適宜補いました。
尊敬表現について
なお、現代語訳に際しては、原文や訓読文にある尊敬表現を、通常の表現に改めることにしました。訳文の厳密さよりも、読みやすさを重視したことによる判断です。
分注について
原漢文には分注と呼ばれる小書きの注が多く付されています。たとえば
天地初發之時、於高天原成神名、天之御中主神。【訓高下天云阿麻。下效此。】
の【 】内の部分です。これは【高の下の天を訓みて阿麻と云ふ。下は此れに效へ。】と訓読します。つまり「高天原」を「たかあまのはら」もしくは約まって「たかまのはら」と読む、以下も同様だ、という注です。音訓についての注は本文の内容とは直接かかわらないため、訓読文や現代語訳では省いています。
声調について
また、原漢文には声調に関する注もいくつか付けられています。たとえば
豐雲上野神
の小書きの「上」の字です。これは、「豊雲野神の【雲】の字は上声で発音する」という注です。漢語の声調には平声・上声・去声・入声の四声があり、そのうち古事記中に現れる注は上声と去声です。
当然のことながら、漢語の声調と日本語の高低アクセントは同じものではありませんが、日本語に当てはめた場合、上声は尻上がり、去声は尻下がりのアクセントを指定しているとされています。やはりこれも分注と同じく、訓読文や現代語訳では省いています。
他にも表記や訳文等についてご質問等がございましたら、お気軽にこちらへどうぞ。