この時、伊邪那岐命いざなぎのみことは、大いに喜んで、「私は子を生みに生んで、最後に三柱の貴い子たちを得た」と言って、すぐにその首飾りの玉の緒を、手に取ってゆらゆらと揺り鳴らしながら、天照大御神に渡し、「あなたは高天原を統治しなさい」と委任した。それで、その首飾りの名を御倉板挙之みくらたなの神という。次に、月読命に、「あなたは、夜之食国よるのおすくにを統治しなさい」と委任した。次に、建速須佐之男命に「あなたは、海原うなばらを統治しなさい」と委任した。

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《言葉》

  • 【御倉板挙之神】みくらたなの神 首飾りの玉を御倉の棚に祭ったことから
  • 【夜之食国】よるのをすくに 「食す」(をす)は統治するの意